2026/01/15 08:30
スペシャルティコーヒーとは?
スペシャルティコーヒーとは、品質が高く「どこで」「誰が」「どのように」つくったかが明確なコーヒーのことを指します。単に高級なコーヒーという意味ではなく生産からカップに注がれるまでの過程がきちんと管理され、その結果として風味に明確な個性があることになります。
一般的には、生産地や生産者が特定でき、欠点豆が少なく、工程ごとに品質管理が行われていること、さらにカッピング(品質評価)において高い評価を受けていることがスペシャルティコーヒーの条件とされています。ただ、Day & Coffee が大切にしているのは、点数や肩書きそのものだけではありません。その背景にある「どう向き合ってつくられ、どう届けられているか」という考え方です。
コーヒーは工業製品ではありません。赤い実をつける植物で、天候や土壌、そして人の手によって味が変わる農産物です。同じ国でつくられたコーヒーであっても土地が違えば味は変わり、品種が違えば香りも変わります。その年の気候によって、同じ農園でも表情がまったく違うこともあります。スペシャルティコーヒーは、そうした違いを均一に整えるのではなく「違いそのもの」を個性として受け止める考え方から生まれました。

スペシャルティコーヒーを支える3つの考え方
テロワール|土地の違いを、味として楽しむ
スペシャルティコーヒーでは、土壌や標高、品種、気候といった土地固有の条件がそのまま味わいの一部として捉えられます。Day & Coffee では、その個性が無理なく立ち上がるよう豆ごとに焙煎を調整しています。同じ焙煎をすべての豆に当てはめるのではなく「この豆は、どう扱われたらいちばん気持ちがいいか」という視点で向き合っています。
フェアトレード|おいしさが、正しく評価されること
いまだに多くのコーヒーは、品質や個性とは関係なく国際相場によって価格が決まっています。その仕組みでは、丁寧につくられたコーヒーほど続けることが難しくなってしまいます。Day & Coffee が扱うのは、生産者の努力や品質が、きちんと価格に反映されているコーヒーです。「おいしい」が一時的な消費で終わらず、次の年、その先へとつながっていくこと。それもまたコーヒーの味の一部だと考えています。
トレーサビリティ|顔が見えるという安心感
スペシャルティコーヒーでは、誰が、どこで、どんな思いを持って育てたかが追えることが重視されます。流通の途中で情報が途切れてしまえば、味だけでなく、その背景も失われてしまいます。私たちは、コーヒーが届くまでの過程ごと、大切に扱われてきたものを選んでいます。それは「安心」のためだけではなく、その一杯をきちんと味わうための前提だと考えているからです。
Day & Coffee がスペシャルティコーヒーを選ぶ理由
Day & Coffee がスペシャルティコーヒーを扱う理由は特別感を演出したいからではありません。私たちのコンセプトは「すべての日に、特別なひとときを」。 それは非日常ではなく、いつもの一日が少しだけ心地よく感じられる瞬間のことです。背景がきちんとしたコーヒーは、味に無理がなく、飲み終わりが静かです。毎日飲めるけれど、雑にはならない。そのバランスが日常にいちばん合っていると感じています。
スペシャルティコーヒーは、詳しい人だけのものではありません。なんとなく選んだ一杯が「今日はこれでよかったな」と思えること。Day & Coffee では、そんな体験を支える前提としてスペシャルティコーヒーを選んでいます。難しくなくていい。でも、ちゃんとしている。それが私たちの考えるスペシャルティコーヒーとの付き合い方です。

付記|スペシャルティコーヒーという考え方について
本記事で触れている「スペシャルティコーヒー」という言葉には、国際的に共有されている一定の考え方と基準があります。 一般にスペシャルティコーヒーとは、栽培・収穫・精製・輸送・焙煎・抽出といったすべての工程において品質管理が行われた結果、風味に明確な個性と高い評価を持つコーヒーを指します。
国際的なコーヒーの専門組織である Specialty Coffee Association(SCA)では、スペシャルティコーヒーを「際立った風味特性(distinctive attributes)を持ち、その価値が適切に評価されるコーヒー体験」と定義しています。また、カッピング(官能評価)においては100点満点中80点以上の評価を得たコーヒーがスペシャルティコーヒーとして扱われることが一般的です。 日本においても、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が消費者のカップの中で明確においしいと感じられること、そして産地や品種、精製方法などの個性がはっきりしていることを重要な要素として示しています。
Day & Coffee が大切にしているテロワール・フェアトレード・トレーサビリティという考え方は、こうしたスペシャルティコーヒーの理念からきています。 私たちはこの言葉を「特別な人のためのコーヒー」ではなく、日常のなかで、きちんと選ばれ、きちんと届けられたコーヒーとして受け取っています。
Speaker:北嶋孝祐
Interview & Text:追沼翼
