2026/01/28 08:30


Day & Coffee では、コーヒーを4種類ほど用意しています。それは「選択肢を増やしたい」からだけではありません。
4種類あることで、コーヒーが得意じゃない人、いつも同じものを選びたい人、今日は少し気分を変えたい人。それぞれが無理なくその場にいられる。味の幅は、そのまま人の幅でもある。私たちはそう考えています。
コーヒーが好きな人だけの場所ではなく「今日はコーヒーにしようかな」と思った人も、なんとなく立ち寄った人も、同じように受け止められる状態をつくりたい。そのためにいくつかの味を並べています。

専門性は、入口ではなく奥に置く
豆を1種類だけに絞るという選択もあります。世界観は伝えやすいし、思想もはっきりする。ただその分「合う/合わない」が入口で決まってしまうことも多い。Day & Coffee では、専門性を最初から強く押し出すことはしていません。
4種類あることで入口はやわらかく、奥に進むほど専門的になる。そんなお店でありたいと思っています。最初は「飲みやすいですね」から始まって、気づいたら焙煎や抽出の話をしている。それくらいの距離感がちょうどいい。
用意しているコーヒーは、焙煎度を変えて並べています。浅煎り、深煎り、という単純な分類ではなく、甘さの出方や、飲み終わりの印象が、少しずつ違う。焙煎度を変えることで、軽く飲みたい日、しっかりした一杯がほしい日、いつもの味に戻りたい日、そんな日常の揺れにも、自然と対応できる。豆を増やすよりも、焙煎で幅をつくる。それが私たちのスタンスです。

選ばせるためではなく、受け止めるために
Day & Coffee が目指しているのは、「特別な日に来る場所」ではありません。
私たちのコンセプトは「すべての日に、特別なひとときを」。それはイベントのような非日常を用意することではなく、いつもの一日が、少しだけ心地よく感じられる時間をつくること。だからこそ、その日の気分や体調、経験値に関係なく、誰かが「無理をしなくていい状態」でいられることを大切にしています。
「この中なら、どれかは合いそう」そう思ってもらえる余白を残したい。 味の違いを楽しむ人もいれば、いつも同じ一杯を選ぶ人もいる。どちらも同じくらい大切なお客さんです。コーヒーの数を決めることは、どんな人を受け入れたいかを決めることでもある。
Day & Coffee は味の違いを並べながら、それぞれの人が自分の居場所を見つけられる店でありたいと思っています。


Speaker:北嶋孝祐
Interview & Text:追沼翼